貴重なご意見ありがとうございます。
痴漢抑止バッジプロジェクトがメディアで拡散された当初より「痴漢被害者を守る姿勢を表明するバッジも作ってほしい」というご意見を複数の方からいただきました。
私達の活動から、こうした「子ども達を守りたい!」という意思表明が多数の方からあがったことをとても嬉しく思っています。
痴漢被害の対象となっている方に痴漢抑止バッジをつけさせるではなく、社会全体で見守っていきたい。その思いは、当然、私達も持っております。「子ども110番の家」のように、被害にあった子が安心して助けを求められる存在があれば、いいですよね。
しかしながら、現時点では当センターにおいて、「痴漢から守る大人用バッジ」を製作する予定はございません。
それは「バッジを悪用されたら、どうするのか?」という懸念があるからです。
万が一「痴漢から守ります!」というバッジを、悪質な痴漢加害者が身につけたら、どうしよう……という懸念を、私達は考えてしまいました。
過去には、痴漢冤罪被害者の会の会長が、盗撮容疑で逮捕された前例もあります。出来心ではなく、確信犯で痴漢犯罪を繰り返す常習者は、本当に悪質で狡猾です。
痴漢に遭い辛い思いをしている時に、助けの手をさしのべてくれた大人が、卑劣な痴漢加害者だとしたら……その子は、何重にも傷つけられます。
娘を痴漢加害者から守るために、1年間以上、警察や鉄道会社に相談に行ったり、できるだけの努力をしてきた殿岡は、当事者として、そうした懸念を持っています。そのため「性暴力から被害者を守りたい」と考えてくださる方には、「心の中にバッジをつけて、いざという時に行動してください」とお願いしております。
「社会をまきこむこと」は、痴漢問題解決にむけて、重要なポイントだと考えています。
痴漢抑止バッジプロジェクトは、前例のない新しい試みですから、懸念事項もありますし、今後どのような流れが起きるのかもわかりません。それでも、私達の取り組みが問題提起となり、痴漢犯罪減少の流れに繋がればと思っております。
社会の空気が少しずつでも変わっていきますよう、活動を継続していきます。