痴漢対策ができる缶バッジで痴漢を未然に防ぎ、子どもを性暴力から守る社会を実現!
  1. 活動日誌
  2. 第9回痴漢抑止バッジデザインコンテストのポスターができるまで
 

第9回痴漢抑止バッジデザインコンテストのポスターができるまで

第9回痴漢抑止バッジデザインコンテストのポスターができるまで

痴漢抑止バッジデザインコンテストでは、毎年受賞5作品を製品化しています。それだけではなく、次年度のコンテスト募集チラシのデザインは、最優秀賞を受賞した学生さんにお願いしています!


痴漢抑止バッジデザインコンテストは、電車内痴漢犯罪を、被害者と加害者の問題とするのではなく、社会全体の意識を変えて解決しようとする活動です。「自分は被害にあってないから、関係ない」ではなく、あなたが学んでいるデザインで社会を変えてください! そう考えて毎年夏に学生を対象に開催しています。


世の中のあらゆるモノ、CM・ポスター・商品パッケージ etc. には、デザイナーが関わっています。デザインは、人の潜在意識に働きかける力をもっています。だから、ジェンダー意識の高いデザイナーが増えれば、社会の意識も変化する。私たちはそう信じています。


このデザインコンテストからプロのデザイナーを輩出したい。そのために、コンテストで最優秀賞を受賞された方に、「仕事」として次年度のチラシ・ポスターの制作を依頼しています。


今回は「第9回 痴漢抑止デザインコンテスト募集ポスターのデザインができるまで」と題し、プロのデザイナーのアドバイスで、受賞学生のポスターデザインが仕上がっていく工程をお届けします。






メンバー紹介

痴漢抑止活動センターはコンテストを主催していますが、デザインに関しては素人です。

そこで、チラシ・ポスターのデザインアドバイスは、国が設置した無料の経営相談所「大阪府よろず支援拠点」のコーディネイター岩田さん(デザイナー)にいただいています。

デザインのプロボノをしてくださっている志水さんにも、データチェックなどお願いしました。


工程1 初回ラフ

よろず支援 岩田:

今年の学生さんも綺麗なラフを描いてくださいましたね。

志水:

今年も、出来上がりが今から楽しみです。

先生のご指導もありがたいです。


よろず支援 岩田:

全体の構成としては問題ありません。

いくつか、特に目立たせていただきたい部分、情報の優先度などを整理したいですね。


松永:

作品募集のポスターなので、応募期間をもっと目立たせて欲しいですね。

賞のあしらいを目立たせる工夫をしてくださっているのが嬉しいです。

結構がんばって賞金出してるんです!


志水:

5万円嬉しいですよね。

痴漢抑止バッジコンテストは毎年開催しているので、

ポスターデザインには「明らかに昨年と違う」ことが求められます。

それを考慮しつつ、カラーラフ2案の作成をお願いたいと思います。


〈修正指示〉

工程2 カラーラフ

志水:

・同じデザインで色違い2案

・まったく別のデザイン2案

どちらでも結構です。…とお伝えしたところ、カラーバリエーションで出してくださいました。



よろず支援 岩田:

配色センスいいですね

伸ばしていってほしいですね


志水:

ですよねー。うらやましい…

さてどちらで進めてもらいましょうか?


全員:

こっちかな


松永:

満場一致で視認性の高いA案に決定ですね。

B案も優しいイメージですごくステキですが、やっぱりちょっと文字が見えにくいかなぁ?

学校に課題として扱っていただいていることもあり、コンテスト応募者の3~4割は男子学生なんです。

男性も、1割程度が痴漢被害にあっているというデータもありますし、「女性向け!」というニュアンスは必要ないと考えています。

なので青い方で進めていただきましょう。

…タイトルがちょっとこじんまりしてるのがもったいないかなぁ?


よろず支援 岩田:

そうですね。使える空間はあるので大きく見やすく配置して欲しいところです。

後は要素のグルーピングも少し気になりますね。


志水:

あ、ポスターデザインのアピールが表記できてないですね(汗)

お問い合わせのブロックが間延びしてる印象なので、ギュッとして下に詰めて、空いたスペースに、「このポスターを私が作りました!」ってフキダシで入れちゃいましょうか?


松永:

それいいー♪


〈修正指示〉

工程3 本制作

よろず支援 岩田:

だいぶ固まってきましたね。

タイトルもノーマルなドロップシャドウになって読みやすくなったと思います。

安全ピンで遊びも入れてくださったんですね。


松永・志水:

………。


よろず支援 岩田:

どうしました!?


松永:

実は…「安全ピン」って、痴漢問題で一度炎上しているアイテムなんです。


よろず支援 岩田:

そうなんですか!?


松永:

「痴漢にあったら安全ピンで刺せ」という護身術(?)が昔からあったようで、

数年前に一度大炎上し、シャチハタが安全ピンの代わりに防犯用のハンコを販売し出す事件というか、ムーブメントがありました。

そのネガティブなイメージを想起させたくは…ないですね。


志水:

痴漢抑止バッジは対策ではなく、そもそも「加害に遭わない」ためのツールです。

センターが主催する防犯講座でも、犯人を捕まえることより身を守ることを優先して、と教えています。

センターの理念とも反する「武器」のイメージが付いてしまうので安全ピンモチーフはちょっと厳しいかなぁ…と。


松永:

あと、痴漢抑止バッジの製品と仕様も違います。製品はクリップ付きです。

缶バッジをつけることが校則違反になる学校もあり、電車内だけ簡単に着脱できる仕様にしています。


よろず支援 岩田:

なるほど…

それは、残念ですが丁寧に説明して、却下させていただくしかないですね…


松永・志水:

そうなんです。心苦しいんですが…。


〈修正指示〉

完成!!

よよさん、お疲れ様でした!!

いかがでしたでしょうか?


第8回デザインコンテスト最優秀賞 よよさん コメント
最優秀賞の受賞者が翌年のポスターやチラシをデザインしていることは、受賞後に初めて知ったので、制作の依頼のお話を聞いたときはびっくりしました。
私がこれから制作する作品が、駅などで目にするポスターと並べられると思うと、とても緊張しました。でも、挑戦する機会をいただけたのが、嬉しかったです。
コンセプトとしては、痴漢抑止のテーマは社会的で重たい面がある一方で、被害に遭っている当事者やコンテスト参加者は若い方である場合が多いので、何よりその方々にとってなじみやすく、一目見てすんなり心に届くデザインとなるように制作しました。
制作にあたり、自分のデザインを今まで以上に客観的にみるように心がけました。プロのデザイナーさんにアドバイスをいただくと、自分では気づけなかった点へ目を向けることができ大変勉強になりました。自分の持つ視点や感覚だけではたどり着けないレベルにブラッシュアップでき、よりよいデザインに仕上がったと思います。
時間をかけて形にしたので、完成したのが感慨深いです。学校に自作のチラシが送られてくると思うと、ワクワクします。

無事にポスター完成です!

作品募集チラシも、よよさんに同じデザインで展開していただいています。お楽しみに!


コンテストの応募期間は8/1(火)〜9/10(日)23:59

たくさんのご応募お待ちしております。

「第9回痴漢抑止バッジデザインコンテスト」要綱

課題にしたい学校様へ

痴漢抑止バッジデザインコンテストに関心をもってくださりありがとうございます。

これまでに、延べ1016校から6323作品の応募がありました。

 

先生方からは

 


  • 「痴漢」は生徒にとって身近な社会課題
  • バッジは生徒に人気のグッズ
  • 課題として最適なサイズ

 といった点で評価をいただいております。

 

デザインの際に、痴漢問題について調べることで防犯意識が高まる効果も見込めます。

ぜひ、学校での課題としてご参加ください。


【参考資料】






 痴漢抑止活動センター 

電話番号:06-7898-7808

受付時間:10:00〜17:00

定休日 : 土・日・祝

所在地 : 大阪市城東区関目5-13-15‐305 

痴漢犯罪防犯講座について問い合わせ