「Stop痴漢バッジプロジェクト」は
メディアで取り上げていただいたおかげで、
クラウドファンディングの当初の目標金額は、
6日間で達成しました!
多くの方からのご支援と応援に感謝しています。
サイトへのメッセージや、Twitterの反応を見ても、
・今、痴漢被害にあって困っている方、
・電車通学をする子どもを心配する保護者、
・過去の痴漢被害体験がトラウマになっている方、
・痴漢冤罪被害がいつ我が身に降りかかるかと怯える男性、
・・・誰にとっても、痴漢問題は他人事ではすませられないのだと、改めて感じています。
だから、多くの方が共感し、ご支援くださったのでしょう。
私達は、支援額が300%(150万円)達成したら、
駅前で痴漢抑止バッジの無料配布イベントを開催する予定です。
そして、痴漢抑止バッジ が
一時の話題で終わってしまわないように、
必要とする方の元へ届けられる仕組みを作りたいと考えています。
そのためにも、多くの方にこのプロジェクトを知っていただき、
共感してくださる方から、ご支援をいただきたいと望んでいます。
子ども達が安心に安全に電車に乗れる社会は、大人にとっても、安全で生きやすい社会です。
そのためにできることを、皆さんと一緒にやってゆきたいと考えています。2015年11月12日に、埼玉県警鉄道警察隊に行ってきました!
殿岡万里
娘と私が痴漢と悪戦苦闘していた頃、痴漢抑止シールがメディアに取り上げられて、埼玉県警鉄道警察隊の痴漢犯罪に対する積極的な取り組みを知りました。
それまでは孤立無援の心細さを感じていましたが、痴漢被害者に対して「こういう工夫をして被害にあわないように気をつけてね」だけではない、一歩も二歩も踏み込んだ対策に勇気をもらっていました。
でも埼玉県民ではない私達、被害者の事よりも冤罪懸念を大きく報道するメディア…。喉から手が出るほど欲しいシールでしたが、躊躇している間に娘が痴漢を捕まえ、バッジ制作の流れになり、ひとまず痴漢問題から解放されたのでした。
それでも埼玉県警は私達の心の中で、最後の砦であり続けました。今回、NHKの番組のお陰でご縁が繋がり、訪ねることが叶いました。埼玉県警が痴漢問題に積極的に取り組む理由
埼玉県警鉄道警察隊の隊長(女性)・副隊長(男性)はともに警察署などで犯罪として痴漢を扱ったことはありましたが、鉄道警察に赴任して改めて、この地域の鉄道路線に痴漢が多発していたことや痴漢犯罪の深刻さを知り、問題解決に取り組むことにしたそうです。
あのシールの目的は痴漢を抑止すること
もともとこの痴漢抑止シールは東海大学のゼミで女子大生が原案を考え、それを神奈川県の印刷組合が制作し、キオスクで販売していました。ところがスポーツ新聞で「冤罪を助長する」と取り上げられ、販売を自粛したようです。そのため被害者が入手しづらくなってしまったのです。
埼玉県警はその話を知り、キャンペーンの一環として取り入れました。しかしこのシールは痴漢冤罪被害を懸念する人々から批判を受けました。痴漢問題に積極的に取り組んでいるゆえに埼玉県警は様々な反響を受けています。でも被害にあって苦しむ人がいる以上、痴漢問題を放置するわけにはいかない。その信念で現在も真剣に対策を考えています。
そもそも痴漢抑止シールの使用方法が間違って理解されているのが、冤罪云々とメディアやネット上で議論が起きた原因ではないかと私は思っています。
このシールの最大の目的は、私達のバッジと同じで、「このシールを見せることにより、痴漢にやる気を失わせる」という抑止効果だからです。もしも狙っている女性のスマホにシールが貼ってあったら、痴漢行為の証拠が残されると思ったら、それでも犯人は行為に及ぶでしょうか。このシールのインク部分を犯人の手に押し付けるのは、それでも行為に及んだ犯人を確保するための最終手段なのです。
埼玉県警では被害者の要望によりこのシールを配付していますが、その際にも利用者に正しい使用方法を説明し、冤罪被害を生まないように配慮しています。これまでに警察や公的組織で約7000枚を配付しましたが、実際にインク部分を使用した事例はなく、この痴漢抑止シールを目につくように貼っているだけで、痴漢に対する抑止効果があると考えられます。
まだまだある埼玉県警の痴漢対策
① 埼玉県警は鉄道会社・駅ビルなど商業施設・高校などと連携して埼玉県鉄道痴漢犯罪防止連絡協議会を組織し、痴漢犯罪を防ぐための横のつながりを作っています。
② 県警が高校に出張し、痴漢行為を防ぐ方法や、被害の対処方法を伝えています。そのためのマニュアルもあり、女子高用、共学用と2種類用意され、被害者となりやすい女生徒だけでなく、男子生徒にもどう守り対処するかを説明しています。本当に素晴らしい取り組みだと思います。
③ 毎年6月と10月には痴漢防止キャンペーンを実施し、高校生による痴漢防止ポスターのコンテストを開催。受賞したポスターはティッシュの裏に印刷して配布しています。
啓発活動など様々な取り組みにより、埼玉県は全域で痴漢に対する防犯意識が高いと感じました。
痴漢問題と冤罪被害問題について
「痴漢はひどい犯罪で、学校に行けなくなってしまい人生が変わってしまうこともある。社会が「痴漢は重罪だ」と理解しなければならない。」と副隊長がお話しされたように、痴漢犯罪は、その被害の深刻さと社会の認識がかけ離れていると私も感じています。それはなぜでしょうか?
副隊長のお話では、
① 痴漢冤罪被害は確かに問題なのだが、痴漢被害の実態が社会に認知されていないのが、問題を複雑化させている。
② 痴漢被害者は泣き寝入りすることが多いため、表に出てこない。
③ 被害者に「どうして言わないのか?」をヒアリングした結果、
●痴漢がいるのは普通の事だから、騒ぎ立てたり訴えたりするのは普通じゃない。恥ずかしい。
●我慢するべきだ。
そんな風に思い込んでいる女性が多いことがわかった。
「周りの大人が「痴漢くらい」といった態度や言動を重ねてきた結果、そうした風潮をつくりだしています。「痴漢行為を許さない」という風に社会の意識を変えていかないといけない。」と語られ、その信念が、埼玉県警鉄道警察隊の積極的な姿勢につながっているのだと思いました。
私達の痴漢抑止バッジについて
NHKの取材により、私達の痴漢抑止バッジについてのコメントを求められ、鉄道警察隊の皆さんで意見を交わしてくださったそうです。
○抑止力があるのだろう。
○被害者が作ったので、効果があるだろう。
○冤罪を生まないのが良いアイデアだ。
という意見が出たそうで、日々痴漢問題に向き合っている警察の方からこのようなコメントが頂けるのは大変心強いものです。
また、高校生の痴漢防止ポスターコンテストの表彰式の際、先生が「痴漢抑止バッジはいいアイデアですね。」とコメントされていたことも教えてくれました。
痴漢抑止バッジも、埼玉県警の痴漢抑止シールと同様に抑止効果を目的としていますが、着用していても被害にあってしまった時の対策が必要であると考えています。それはシールの場合インクなのですが、私達のバッジにはそれがありません。
痴漢抑止バッジをつけるということは、「痴漢に泣き寝入りしない!」という覚悟を持つことでもあるのですが、新入生が通学に慣れないうちなどは、被害にあうと体が固まってしまい声も出ないことがあります。その被害を食い止めるため、心の拠り所となる防犯グッズとの併用を勧めたいと思い、バッジを新入生に配布する際に一緒に配布できるよう、痴漢対策マニュアルを作成しようと考えています。
【ご支援ください】
「性暴力を許さない女の会」の方々とお会いしました。
25年間に渡る活動の一端を伺いました。
「性暴力を許さない女の会」は、
1988年に起きた「地下鉄御堂筋事件」がきっかけで、
25年間に性犯罪に対して、女性の視点から問題提起を続けていらっしゃる団体です。
地下鉄御堂筋事件とは、
電車内で痴漢被害にあっている女性を助け、
痴漢加害者の男性2人組に注意したA子さんが、
犯人に逆恨みされ、レイプされた事件です。
私は、今回、会の代表者からコンタクトをいただき、
この事件をインターネットで検索して知りました。
本日、お会いして団体が出版した
・女が視た「地下鉄御堂筋事件」資料(1990年刊)
・痴漢のいない電車に乗りたい!(1995年刊)
の寄贈をうけました。
まだ、パラパラと眺めただけですが、
25年前に世の中が、鉄道会社が、
痴漢問題をどのように扱っていたのかを知ることができる貴重な資料です。
鉄道各社が貼りだしている
「痴漢は犯罪です」のポスターを見るたびに、
私は思っていました。
「は? なに当たり前のこと言っているの?」
「痴漢を犯罪だと知らない人なんて、いないでしょ」
「犯罪だと分かって繰り返す加害者が、このポスターで痴漢を止めると思っているの?」
と、鉄道会社の意識に疑問を感じていました。
今日、お話を伺って、
25年前には、そのポスターすらなかったことを資料で知りました。
鉄道会社に痴漢対策を申し入れをしても、
痴漢という単語を使うことすらNGとされていたのです。
“いやがらせや迷惑行為はやめましょう”という文言が精一杯。
今のように「痴漢は犯罪」と明言できるようになったのは、
これまで活動されてきた方々の努力の賜物です。
貴重な資料のご提供に感謝いたします。
25年間に渡り、真摯に活動を続けてきた方々がいらっしゃるにも関わらず、
今も痴漢被害にあっている女性が大勢いる……
それが現実です。
もっともっと、多くの声を集め、1人1人が痴漢問題について考え、
解決に向けて行動する風潮を作らない限り、
痴漢被害はなくならないのだと思いました。
会の方々は、
・女子高校生が痴漢抑止バッジを考案したこと
・バッジをつけたら痴漢にあわなくなったこと
に驚いていらっしゃいました。
痴漢抑止バッジを普及させるために、
クラウドファンディングを活用するアイデアも
世の中に活動を広げる試みとして、評価をいただきました。
長く活動していらした方達から、
エールをいただき、心強いです。ありがとうございます。
痴漢にあっているのは、
昔も今も、女子中・高校生、大学生、若いOLさんです。
特に、4月。
進学や新入社で、電車通学を始めたばかりの時に、
不慣れな満員電車で、痴漢被害にあうケースが多いようです。
私達は、新入学・新入社をする方々に、
痴漢抑止バッジを届けるために、
今、クラウドファンディングでご支援を募っています。
痴漢問題解決に共感してくださる方は、
ぜひ、下記サイトより、ご支援をください。痴漢問題については、痴漢冤罪被害の懸念もついて回ります。
痴漢行為をしていない方が犯人扱いされるのは、あってはならないことです。
痴漢問題に限らず、自分が犯していない罪の疑いを掛けられるのは、不愉快です。疑いをかけられたことが公になるだけで、社会的なマイナスになるケースも多いでしょう。
痴漢犯罪の場合、混み合った電車の中という特殊な状況と、現行犯逮捕という制度があって、問題の根を深くしている面があります。
痴漢冤罪問題については、いくつもの問題が複雑に絡み合っているので、カンタンに論じることができません。
ひとつ明らかにしておきたいのは、私達は、痴漢冤罪におびえる男性達も、被害者だと考えているということです。
「痴漢に間違われたらどうしよう」とおびえながら満員電車で通勤するのは、ストレスでしょう。万が一、痴漢の冤罪を掛けられたら、それまで築いてきた人生がガラリと変わります。痴漢冤罪におびえるのは、当たり前です。
痴漢被害者も、それは分かっています。
だから「万が一、間違いだったら?」と考えてしまい、痴漢行為を受けたときに毅然とした態度を取れなくなっている人も多いのです。
ネット上では、痴漢問題を取り上げるときに、必ず反論のように痴漢冤罪を持ち出す人がいます。
その懸念はもっともですが、攻撃する対象が痴漢被害に悩んでいる方に向くのはお門違いと言わざるをえません。
悪いのは、痴漢加害者です。
痴漢行為をする人がいなければ、痴漢被害者も痴漢冤罪被害者も生まれません。
満員電車に乗車する男性が、無用なストレスを感じることもなくなります。
デザイナー:enjoy806さん
デザインコンセプト
まず、痴漢に対しての警告というより「私たちの意思表示」に重きを置いた、この優れたコピーを活かしたかったので真ん中に配置しました。
近くで見た時に読めればいいので、目立ちすぎずかつ被害女性が訴えているような手書き風のフォントを選びました。
周りは適度な余白を持たせ、文字がすっと目に入るようにしました。
そして、女性に受け入れられるバッジということでネコをモチーフに選び、ネコが正面を見据えて意思表示をしているデザインにしました。
さらには痴漢と一対一で戦うのではなく社会全体で戦い、被害者を見守っていくというイメージでネコを輪になるように配置しました。
輪の真ん中が花の形に見えるようにし、古典で花といえば桜を表すことから桜の花言葉である純潔な精神という意味も込めています。
色に関しては、赤と青を使って標識のようにし警告のイメージを出しました。
毅然とした態度を表現しつつも強い印象を与えるものより、付けてもらえるように「自分だったら付けることができるか」という視点に何度も立ち返ってデザインしました。
プロジェクトへのメッセージ
今までも痴漢に対する取り組みはあったと思いますが、真剣にこの犯罪について考えたことはありませんでした。
しかし、「私たちは泣き寝入りしません」というコピーを見て、新しい視点だなと感銘を受け、このプロジェクトに興味を抱きました。
痴漢を捕まえたいわけではなく、ただ痴漢に遭いたくないだけ、痴漢を未然に防ぐ、ということが第一に考えられていることにとても共感し、自分にできるデザインで協力できればと考えました。
通勤通学は毎日のことですし、日常が辛いものにならないように見て見ぬ振りをするのではなく、監視し、見守っていくことが大切だとこのプロジェクトをきっかけに改めて気付かされました。
このプロジェクトが多くの人を救うものになればと思います。
デザイナー:h1rotoさん
デザインコンセプト
目立つこと・知られること・繋がれること
この活動を広く知らしめるためには、痴漢、着用者、一般人全てにとって注目されやすい目立ち、簡単に内容を伝えることが出来ることが先ず大切です。
痴漢には犯罪抑止力を与え、着用者同士に連帯感、安心感を、広く一般にこの活動のことを知ってもらい、さらに効果を高めることが期待できます。
コンセプトを実現するバッジとするためには以下のような点が重要であると考えます。
●混雑した場所において目立つこと、数メートル離れた状態でも内容が伝わること。
●出来る限りシンプルに、ひと目で印象に残り、その後情報共有しやすいシンボル、デザインであること。
●着用者にとっては信頼感、親しみを感じさせながらも、痴漢にとっては出来る限り嫌味な印象を与えること。
デザインの実施:
シンボルやメッセージの伝達性を最優先に、色数は最小限で、鮮烈な色合いを用いながらもポップな印象や、親しみやすい印象にならない組み合わせとして、ピンク地に黒としてあります。
モチーフは感性や好みに左右されにくく共有しやすい、普段見慣れた顔文字を用い、シンプルに着用者の意思を伝えることにしました。
プロジェクトへのメッセージ
一人ではなかなか解決できない問題をひとつのバッジをきっかけに繋がり支えることができ、その結果みんなが生活しやすい社会になれたら、それは本当に素晴らしいことです。
そのきっかけとなる、ユニークな機能を必要とするコミュニケーションツール(バッジ)のデザインに関わることができて、とても嬉しくに思っています。
本プロジェクトが最大限効果を発揮できるよう今後とも応援させていただきます。
デザイナー:RJGraphicsさん
デザインコンセプト
「痴漢は犯罪である」ということをより重く受け止め意識することが痴漢抑止につながるのではと考えましたので、「110(警察の電話番号)」と「手錠」をメインモチーフにしてデザインしました。
また、「痴漢に立ち向かう意思」をはっきりと伝えるためにも、たんなるアクセサリーにならないように目立つ配色にし、より多くの人々の目に留まるデザインになるよう工夫しました。
プロジェクトへのメッセージ
痴漢という犯罪を社会にアピールし、痴漢被害に悩む人々に手を差し伸べることのできる素晴らしいプロジェクトだと思いました。
このプロジェクトを通じて1人でも多くの方が安心して通勤・通学ができる環境になるよう祈っております。
デザイナー:コトスタさん
デザインコンセプト
このバッジは痴漢行為が犯罪であると改めて気付かせ、加害者の心に訴えかけることで痴漢行為を無くす狙いがあります。
制作にあたり、痴漢反対の意思表示と痴漢が犯罪であると気付かせることだけでは痴漢犯罪の抑止力として弱い気がしました。
一時的に効果があってもバッジを付ける人が多くなれば、もしかしたら痴漢も見慣れてきて効果が薄れるかも知れません。
そこで一過性の効果だけではなく、痴漢行為は人の道から外れた行為であると訴えかけ、痴漢自身に心を改めさせることで根本から痴漢犯罪を無くしたいと思いました。
周りの人間は見ていなくても、たとえそれが仏様であったとしてもその行為は見られている。
最初にバッジを見た時点で痴漢行為の罪を意識し、考えさせることで痴漢犯罪を撲滅したいと考えデザインしました。
プロジェクトへのメッセージ
今回、痴漢抑止バッジデザインコンテストに参加させていただきありがとうございます。
バッジ制作にあたり、メッセージなどを拝見して痴漢被害者と加害者について非常に考えさせられました。
電車に乗る。ただそれだけのことなのに痴漢被害を恐れて電車に乗れない人がいる。
そういう人たちが大勢いることに気づかされ、痴漢行為によって傷つけられる人を減らすお手伝いが出来ればと思いバッジを制作しました。
このバッジは加害者の心に訴えかけて根本的に痴漢犯罪を無くしたいという想いでデザインしたものです。
バッジを付けることで痴漢被害者を減らし、加害者と周囲の人たちの意識を変えさせることが出来ればと思います。
このプロジェクトがきっかけとなり、痴漢行為への意識が高まりバッジなど付けなくても安心して暮らせる世の中になって欲しいと思います。
デザイナー:xicaさん
デザインコンセプト
「すべての女性の痴漢被害を防ぎ、日々”自分らしく”通勤・通学できるように」
デザインターゲットは通勤通学で電車やバスを利用し、痴漢に遭う可能性があるすべての女性と設定しました。女子学生だけでなく、社会人も視野に入れています。
第一に彼女たちは、バッヂをつけることで自意識過剰だと思われることに強い抵抗感を持っていると考えました。そのため、バッヂをつけたことで違和感を生むような配色は避け、少し鈍く落ち着いた色合いに統一しました。
バッヂをつけることが彼女たちにとってマイナスになることだけは、なんとしても避けたかったため、できるだけ「オシャレ」で「自然」でもしこのプロジェクトを知らない方が見ても違和感を感じさせないデザインにすることを心がけました。
また、女性たちのファッションに華を添えることができるようにと、モチーフは野あざみの花にしました。野あざみの花言葉は「私に触れないで」。
花の凛とした立たずまい、道端にも咲く強い生命力は、痴漢被害に合い、それでも日々を自分らしく送ろうとする女性の気持ちを代弁する存在であると考えています。
プロジェクトへのメッセージ
痴漢被害があることは漠然と知っていましたが、自分自身は被害にあったことがないため、どこか遠くで起きていることだと考えていました。
通学を苦痛に感じるほど毎日のように被害にあっている方がいるということはプロジェクトを通して初めて現実感もって知ることができました。
痴漢のような犯罪は、被害が表に出にくくなってしまう中、このように声を上げられ、それがこのように広まったことはすごいことだと思います。
プロジェクトが成功し、痴漢被害が少しでも減ることを願っています。
デザイナー:asas_designさん
デザインコンセプト
女の子が「痴漢」や「犯罪」などの言葉が表記されているものを身に付けるということは、少なからず抵抗があったり、勇気が必要なことだと思うのです。
なので身に付けるのに、できるだけ抵抗の少ないデザイン、できれば少しおしゃれなもの。付けたいと思うデザイン。
それでいて対象者(痴漢)に対しては、確かなメッセージを伝えられるもの。
そんなコンセプトでいくつかのバッジをデザインしてみました。
このバッジデザインについては。。
誰もが親しみやすい動物の猫をモデルに。
鋭い眼光で睨みをきかせて、痴漢から女の子を守ってくれる。
いつでもどこでも一緒の、心強いペットのような。そんなイメージです。
プロジェクトへのメッセージ
私自身も被害に遭いながらも行動に移せず、怖くて、悔しくて、憤りのない気持ちをどこにもぶつけることが出来ない日もありました。
でもバッジひとつでそんなに効果があったなんて!
女の子達を守ることができるのなら〜と思い、プロジェクトのデザインコンペに参加させていただきました。
デザイナー:yuhyuh__さん
デザインコンセプト
・「泣き寝入りしません」だと、「弱さ」を強調してしまっているように感じられる。
かわいらしい絵柄も同じ理由で良くないと考えた。
そういったデザインは、付けやすい一方で、なめられてしまう危険性がある。
そのため、シンプルながらも、痴漢をビビらせるような文言にした。
・「かわいらしい」デザインを避けるしても、デザイン性に優れる必要はあると考える。
この案では、女性から見て「かっこいい」と思えるデザインを目指した。
・シンプルなデザインにしたことにも、理由がある。
痴漢抑止バッジについて、まだご存じでない方もいると思う。
初見の方でもバッジの意図が伝わるよう、文字数の少ない洗練されたデザインにした。
・被害者/周りの人と分けることは避けたかったので、誰もがつけやすいデザインにした。
理由は2つある。
①性別(セクシュアリティ)や年齢に関係なく、誰でも被害者になりうるから。
②痴漢されにくい年齢や性別の方でも付けやいデザインにすることで、自分以外の人が被害者となることへの抑止効果が図れるため。
これは、バッジをつけること自体に抵抗がある人に対して、周りの人たちがその“代わり”となれるのである。
それは例えば、より酷いことをされるのではないかと考えてしまったり、同じ学校・職場といった知り合いからの目を恐れ、バッジを付けられない人もいるからである(そしてそれは、全然悪いことじゃない)。
プロジェクトへのメッセージ
まず、このような発表の機会を与えてくださって、ありがとうございます。私自身、デザインを考える中で、解決のためには何が必要なのか再考するきっかけとなりました。
今の日本には、痴漢(性暴力)だけでなく家事労働の価値が無視されるなど、多数の女性問題があります。しかしその問題の多くは、「男性」によって引き起こされており、本来ならば「男性」問題とでも言うべきものです。
それにもかかわらず、恋人やパートナー・父親といった身近な人からに対し性被害の体験を訴えた時、無理解やまるで興味が無いかのような反応を受けることがあります。例えば、自衛を諭すなど被害者が悪いかのような発言や、性暴力を受けたこと自体を頑なに認めないことなどです。
でも、そんな社会に絶望しないでほしいと思います。味方は年齢・性別問わず少なくはないはずです。それを顕在化させるために、今回のバッジは役立つに違いないです。同じ社会で暮らしているのだから、その中で生じる差別といった問題は全員の問題。このプロジェクトをきっかけとして、痴漢以外の問題に対しても、輪が広がっていくことを期待します。女性を支配の対象とか、モノとして見るのではなく、(恋愛関係以外でも)「対等な人間」として良い関係が築けるようになることを、切に願います。
デザイナー:hanapecoさん
デザインコンセプト
女性がこのバッジを付けるのにも勇気がいることだと思います。
いかにも!というよりは、毎日気軽に付けても気負わない
デザインにしたいと思い、シンプルなうさぎのキャラを作って
デザインに入れてみました。
つぶらな瞳で、痴漢を睨みつけています。
うさぎの耳が大きく『バツ(STOP!)』を作り痴漢に「警告」しています。
両手を上げて、痴漢を「威嚇」しています。
黄色と黒の色合いは、注意喚起を促し
痴漢抑制の意識をより強いものにします。
このうさぎは、バッジを付けている本人の意志と姿でもあり
娘を痴漢から守る親の意志と姿でもあります。
プロジェクトへのメッセージ
私自身も、毎日身動きの取れない電車で通学した一人として、また、娘の安全を守り続けたい親として、色々な想いを込めてデザインさせて頂きました。
Stopバッジプロジェクトが痴漢に対しての抑止として効果を上げ、いつか、バッジが無くても安心して電車に乗れる世の中になれば良いなと願っております。
デザイナー:㈱ガリバープロダクツさん
デザインコンセプト
このデザインをするにあたって意識したことは、
●持ち物につけやすくする
●女の子の代わりに意思表示をするバッジに
という2点です。
“普段持ち物に装飾品をつけない”女の子でも使いやすいよう、
あえてキツい色は使わず白黒をベースにし、目立ちにくくしています。
さらに猫のキャラクターを使用することで可愛くなり、よりつけやすくなったと思います。
ただ痴漢行為をする相手にはメッセージが伝わるように、
猫の目と「痴漢」という文字は赤で目立たせ、
キャッチコピーは、ストレートに痴漢に話しかける形に。
「どうせなんにも言えないと思うなら大間違いだ」と強く意思表示するデザインにしています。
※点線は仕上がり線です。
プロジェクトへのメッセージ
このプロジェクトをはじめて知った時、女の子の勇気に胸を打たれました。
「毎日とても怖くて、それを言い出すのも辛かっただろうに」。
そう考えると、心が痛みました。
きっと同じ悩みを抱えている女の子は、世界中にたくさんいると思います。
私は「言いたくても言えない」女の子の小さな支えになりたいです。
バッジにそんな思いを込めました。
痴漢という卑劣な行為がなくなることを、心より願います。
デザイナー:水瀬はるきさん
デザインコンセプト
このデザインは女性側の決意を表す事を念頭にデザインしました。
拳を前に突き出す事で、強い意思の表明と、相手(犯人)との距離感も暗に示しています。痴漢の中には被害者が行為を受け入れていると勘違いする人間もいる為、前もって拒絶感をはっきりと示す表現を思案しました。
また、青は冷静さや鎮静を促す効果を持つ色なので、理性が低下して起きる痴漢犯罪そのものを抑止する効果の為にシルエットを青で描きました。加えて、この色とポーズにより「冷静に努めて対処する」(抵抗の宣言)という印象を与える狙いがあります。
代わりに、ゆるぎない意志の強さは文言の方に込め、目立つよう炎のオレンジ色で表現しています。その他の文言も「決して黙っていないという事」「私たちは心(声)を持っているという事」「見過ごさない空気の喚起」などを示しています。
ただ、痴漢の被害に遭っている事を窺わせるバッジですと、身に着けるまでに抵抗がある女性も多いかと思われましたので、抑止効果を失わずに、痴漢被害に遭っている事を示さない(身に着けやすい)文言とデザインを意識しました。
プロジェクトへのメッセージ
このプロジェクトを知って、私はデザインコンテストに必ず参加しようと思っていました。痴漢問題には個人的な思いがあったからです。
数年前から、痴漢として捕まった方を、情報面などでサポートしてきました。弁護士さんの活躍やDNA鑑定などにより、極めて高い無実の可能性の証明に至りました。それでも日本の性犯罪裁判における有罪ありきの判決は覆せませんでした。無力感を感じたのを今でも覚えています。
本プロジェクトを知った時、私は当初「さらに痴漢冤罪が助長されるかもしれない」と危機感を覚え、ブレーキをかける目的でデザインコンテストに参加しました。しかしプロジェクト側ですでに冤罪防止も視野に入れてPRされており、個人的に感動しました。
痴漢をどう退けるかではなく、捕まえるかではなく、事件そのものを起こさせない。誰も傷つけない。そこに深く感銘を受けました。
今回、バッジのデザインを試行錯誤するうちに、女性の心理に近づこうと、被害女性の声もたくさん見ました。中には深刻なトラウマを抱える人もいます。
痴漢問題では時折、男性vs女性の構図の論議に陥る事がありますが、冷静に見れば根本の問題は痴漢加害者であり、男女共通の問題でもあります。そして痴漢を容易に生み出す社会の問題でもあります。それは時に人の命も奪う事もあります。
無視、放置、無理解、誤解、憎悪、悲哀、諦観、先入観、後悔、敵意、苦痛、絶望など——痴漢冤罪とこのデザインコンペ参加を通して、痴漢を巡る様々な状況、様々な人々の感情を知りました。
広範囲に渡って社会に横たわるこれらの状況を多くに知って欲しいですし、そして、どれほどの効果に至るかはまだ分かりませんが、バッジ1つでこれらの全てが改善される可能性を秘めているこのバッジのプロジェクトの成功を、個人的にも祈っています。
社会の歪みが生み出す被害者が、もうこれ以上生まれないように。
デザイナー:タケルノミコトさん
デザインコンセプト
浅倉ユキ様の「少女たち一人一人が頑張っているのではなく」というコメントから、
中央の黒いウサギをバッチをつけるご本人、
まわりのグレーのウサギたちを、社会全体としてイメージしてデザインいたしました。
また、女性がつけるバッチということからピンクを基調とした配色にしましたが、
ピンク=かよわい女性、というイメージにならないよう、
ショッキングピンクに近い、濃いピンクを選びました。
そこに黒を合わせることによって、痴漢犯罪者に負けない強さを表現しました。
プロジェクトへのメッセージ
私も痴漢被害にあった経験があり、服装を変える、ブザーを持ち歩く、
隙のない行動を心がけるなど、色々と対策を考えたり悩んだりしたことがありました。
自分の身を守るのは自分しかいないと思っていましたが、
今回このプロジェクトを知り、被害者本人だけではなく、
社会全体でこの問題について考えるとてもよいツールだと感じ、
コンペに応募させて頂きました。
このプロジェクトが今後さらに世の中に認知されて広まり、
被害にあわれる方が少なくなることを心から願っております。
デザイナー:motuさん
デザインコンセプト
高い視認性と抑止力
・学生の制服や暗色のスーツに映える、視認性の高い黄色
黄色×黒は警告色といわれ、警告・警戒を示します。
(例:工事現場の看板、踏切、警戒標識、ハチなど)
・警察官または警備員を連想させるキャラクター
何もしていないのにパトカーや警官を見かけるとドキっとしませんか?
また、『目』の絵を貼ったら空き巣・違法駐車などの犯罪が減ったという事例から
この心理が犯罪への抑止力へとつながると思います。
また、キャラクターは女子中高生が好みそうなキューブリック感を出しました。
プロジェクトへのメッセージ
今回、応募するにあたって期限ギリギリまで
『バッジをつけることへの抵抗感』vs『痴漢する側の人が見て気が付くこと・影響があること』
でかなり悩みました。「あなたには必要ないのに」と、からかわれたりしないか?
考案した女子高生、とても勇敢な方だと思います。彼女が最初につけていた絵にヒントを得ました。
どんなにかわいくてもメッセージが伝わらなくては意味がないので、
2対8でかわいさより抑止力をとりました。
そのかわり、男性・男子学生にもつけてもらえるデザインだと自負しております。
学生の集団は、測り知れないパワーを持っていて何か脅威を感じます。
女子だけではなく、男子にも、皆に配ってつけてもらってはいかがでしょうか。
最後に、もう一つ提案があるのですが、
このプロジェクトが成功した暁には、暗い夜道で光る『蛍光』または『反射材』のバッジも是非作ってください。
痴漢は電車の中だけではありません。一緒に痴漢のいない世の中をめざしましょう!
私には幼い娘がいます。
近い将来、このバッジを使うことのない、使わなくてもいい社会になっていることを心から望みます。