デザイナー:水瀬はるきさん
デザインコンセプト
このデザインは女性側の決意を表す事を念頭にデザインしました。
拳を前に突き出す事で、強い意思の表明と、相手(犯人)との距離感も暗に示しています。痴漢の中には被害者が行為を受け入れていると勘違いする人間もいる為、前もって拒絶感をはっきりと示す表現を思案しました。
また、青は冷静さや鎮静を促す効果を持つ色なので、理性が低下して起きる痴漢犯罪そのものを抑止する効果の為にシルエットを青で描きました。加えて、この色とポーズにより「冷静に努めて対処する」(抵抗の宣言)という印象を与える狙いがあります。
代わりに、ゆるぎない意志の強さは文言の方に込め、目立つよう炎のオレンジ色で表現しています。その他の文言も「決して黙っていないという事」「私たちは心(声)を持っているという事」「見過ごさない空気の喚起」などを示しています。
ただ、痴漢の被害に遭っている事を窺わせるバッジですと、身に着けるまでに抵抗がある女性も多いかと思われましたので、抑止効果を失わずに、痴漢被害に遭っている事を示さない(身に着けやすい)文言とデザインを意識しました。
プロジェクトへのメッセージ
このプロジェクトを知って、私はデザインコンテストに必ず参加しようと思っていました。痴漢問題には個人的な思いがあったからです。
数年前から、痴漢として捕まった方を、情報面などでサポートしてきました。弁護士さんの活躍やDNA鑑定などにより、極めて高い無実の可能性の証明に至りました。それでも日本の性犯罪裁判における有罪ありきの判決は覆せませんでした。無力感を感じたのを今でも覚えています。
本プロジェクトを知った時、私は当初「さらに痴漢冤罪が助長されるかもしれない」と危機感を覚え、ブレーキをかける目的でデザインコンテストに参加しました。しかしプロジェクト側ですでに冤罪防止も視野に入れてPRされており、個人的に感動しました。
痴漢をどう退けるかではなく、捕まえるかではなく、事件そのものを起こさせない。誰も傷つけない。そこに深く感銘を受けました。
今回、バッジのデザインを試行錯誤するうちに、女性の心理に近づこうと、被害女性の声もたくさん見ました。中には深刻なトラウマを抱える人もいます。
痴漢問題では時折、男性vs女性の構図の論議に陥る事がありますが、冷静に見れば根本の問題は痴漢加害者であり、男女共通の問題でもあります。そして痴漢を容易に生み出す社会の問題でもあります。それは時に人の命も奪う事もあります。
無視、放置、無理解、誤解、憎悪、悲哀、諦観、先入観、後悔、敵意、苦痛、絶望など——痴漢冤罪とこのデザインコンペ参加を通して、痴漢を巡る様々な状況、様々な人々の感情を知りました。
広範囲に渡って社会に横たわるこれらの状況を多くに知って欲しいですし、そして、どれほどの効果に至るかはまだ分かりませんが、バッジ1つでこれらの全てが改善される可能性を秘めているこのバッジのプロジェクトの成功を、個人的にも祈っています。
社会の歪みが生み出す被害者が、もうこれ以上生まれないように。
デザイナー:タケルノミコトさん
デザインコンセプト
浅倉ユキ様の「少女たち一人一人が頑張っているのではなく」というコメントから、
中央の黒いウサギをバッチをつけるご本人、
まわりのグレーのウサギたちを、社会全体としてイメージしてデザインいたしました。
また、女性がつけるバッチということからピンクを基調とした配色にしましたが、
ピンク=かよわい女性、というイメージにならないよう、
ショッキングピンクに近い、濃いピンクを選びました。
そこに黒を合わせることによって、痴漢犯罪者に負けない強さを表現しました。
プロジェクトへのメッセージ
私も痴漢被害にあった経験があり、服装を変える、ブザーを持ち歩く、
隙のない行動を心がけるなど、色々と対策を考えたり悩んだりしたことがありました。
自分の身を守るのは自分しかいないと思っていましたが、
今回このプロジェクトを知り、被害者本人だけではなく、
社会全体でこの問題について考えるとてもよいツールだと感じ、
コンペに応募させて頂きました。
このプロジェクトが今後さらに世の中に認知されて広まり、
被害にあわれる方が少なくなることを心から願っております。
デザイナー:motuさん
デザインコンセプト
高い視認性と抑止力
・学生の制服や暗色のスーツに映える、視認性の高い黄色
黄色×黒は警告色といわれ、警告・警戒を示します。
(例:工事現場の看板、踏切、警戒標識、ハチなど)
・警察官または警備員を連想させるキャラクター
何もしていないのにパトカーや警官を見かけるとドキっとしませんか?
また、『目』の絵を貼ったら空き巣・違法駐車などの犯罪が減ったという事例から
この心理が犯罪への抑止力へとつながると思います。
また、キャラクターは女子中高生が好みそうなキューブリック感を出しました。
プロジェクトへのメッセージ
今回、応募するにあたって期限ギリギリまで
『バッジをつけることへの抵抗感』vs『痴漢する側の人が見て気が付くこと・影響があること』
でかなり悩みました。「あなたには必要ないのに」と、からかわれたりしないか?
考案した女子高生、とても勇敢な方だと思います。彼女が最初につけていた絵にヒントを得ました。
どんなにかわいくてもメッセージが伝わらなくては意味がないので、
2対8でかわいさより抑止力をとりました。
そのかわり、男性・男子学生にもつけてもらえるデザインだと自負しております。
学生の集団は、測り知れないパワーを持っていて何か脅威を感じます。
女子だけではなく、男子にも、皆に配ってつけてもらってはいかがでしょうか。
最後に、もう一つ提案があるのですが、
このプロジェクトが成功した暁には、暗い夜道で光る『蛍光』または『反射材』のバッジも是非作ってください。
痴漢は電車の中だけではありません。一緒に痴漢のいない世の中をめざしましょう!
私には幼い娘がいます。
近い将来、このバッジを使うことのない、使わなくてもいい社会になっていることを心から望みます。2015年11月4日〜25日に、クラウドワークスで、痴漢抑止バッジのデザインを公募しました。3週間で441作品の応募をいただきました。多数のご応募ありがとうございます。
寄せられたデザインは、可愛い、オシャレ、クール、ユニーク……意匠を凝らしたデザインばかり。
その中から12作品を選ぶのは、とても悩ましい問題でした。最終的に、痴漢抑止バッジ考案者母子と、特別審査員の浅倉ユキ先生が、第一次審査通過作品を選出いたしました。
下記の12作品が、第1次審査を追加いたしました。
プロジェクトをご支援くださった皆様の投票によって、この中から3作品を選出します。人気が高かった3作品と特別賞2作品を製品化します!
「このデザインならつけたいね」、「このバッジなら、効果がありそう!」とぜひ、親子で相談しながら作品を選んでください。
痴漢抑止バッジを選びながら、日頃、家庭でもなかなか話題にしづらい痴漢問題について話をするきっかけになればと思っています。
第1次審査通過 作品(内側に点線がある場合、そのラインが完成サイズになります)
人気投票への参加方法
クラウドファンディングでご支援くださった方に、コンテストページのパスワードをお送りいたします。
1口1,000円〜 ご支援を賜っております。
本活動のご支援は、下記のクラウドファンディングサイトで承っております。
「痴漢抑止バッジ」をつけて痴漢行為から身を守ろう!(Faavo東京23区)
クラウドワークスで行っていた、痴漢抑止バッジのデザイン公募期間が終了いたしました。
デザインを寄せてくださったデザイナーの皆さん、Twitterで「XX番のデザインが好き」とご意見をくださった方々。ありがとうございます!
441点のデザインが集まりました。毎日、いろいろなバッジの案が寄せられて、拝見するのがとても楽しみでした。
デザイン公募は終了ですが、ご意見やアイデアは引き続き募集中です。TwitterやFBで呟いてください。ハッシュタグは、 #痴漢抑止バッジ です。よろしくお願いしますm(..)m
今後のスケジュールをお伝えいたします。
これから、プロジェクトメンバーで12点を選びます。選んだ作品に対して、デザイナーの方とコンタクトをとり、デザインに込めたメッセージなどのコメントをいただきます。
12月1日に12作品を最終決定。
12月2日から、プロジェクトをご支援くださっている皆さんの投票で、製品にする3作品を選びます。
投票権は、クラウドファンディングでご支援をくださった方々にお送りいたします。
2016年1月13日(金)に投票を終了します。人気投票で決定する1位〜3位の他に、特別賞2点を選出。
これは、女性のストレス値を減らすことをライフワークにしていう浅倉ユキ先生が選ぶ「あな吉賞」と、痴漢抑止バッジ考案者母子が選ぶ「たか子賞」です。
1月25日(月)に決定した5作品を発表いたします!